オランダのクリスマスの過ごし方

オランダ独自のクリスマス「シンタクラース祭」とは

12月25日のキリストの生誕を祝う行事であるクリスマスは、ヨーロッパだけではなくて現在では世界中で祝われていますが、中にはクリスマスが2回ある国もあります。
オランダの王室は日本の皇室と縁が深いことで知られていますが、そんなオランダでは年に2回クリスマスを祝うのが習慣になっています。

オランダ独自のクリスマス「シンタクラース祭」は12月の6日で、前夜祭は12月5日にお祝いされるしきたりになっています。
シンタクラースというのは紀元4世紀ごろに存在した東ローマ帝国トルコ領の司教「聖ニコラス」のことです。

聖ニコラスはオランダ語で「聖(シンタ)クラウス(グラース)」と発音されるのですが、シンタクラースは長くて白いヒゲに高いマントと帽子をかぶっていました。
このシンタクラースの命日が12月6日であることから、オランダでは12月6日をシンタクラース祭として祝っています。
シンタクラースは無実でありながら罪を着せられた人や子ども、貧しい人を助けた聖人として知られており、彼の伝説が世界各地に広まって「サンタクロース」になったとも言われています。

シンタクラース祭のお菓子

シンタクラース祭ではマジパンやスペキュラース、ペパーノーテン、クラウドノーテンなどといったビスケット菓子がよく食べられます。
スペキュラースとクラウドノーテンは呼び方が違うだけで同じものですが、材料にはコショウやシナモン、クローブ、カルダモン、ナツメグなどが入ったスパイシーな香りが特徴です。

中にはシンタクラースを象った40cm以上のスペキュラースもあります。
ペパーノーテンは立方体のクッキーで、シナモンやナツメグの他にアニスも入っています。
この他にもミルクや練乳、生クリームと砂糖、バターで作るボルストプラートやパイ生地の中にアーモンドペーストを織り込んだバンケットスターフなどのお菓子があります。

シンタクラース祭の概要

シンタクラース祭は11月の到着パレードから始まります。
オランダではシンタクラースはスペインから「ズワルトピート」と呼ばれる従者たちを伴い、蒸気船にプレゼントを乗せてやってきます。

プレゼントが配られるのは12月の6日で、子どもたちはラジエーターや暖炉の脇に靴と馬のためのニンジン、水を置いておきます。
シンタクラースを称える歌を歌ってから寝ると、翌朝、目を覚ましたときにプレゼントが置かれているのです。

と言っても、シンタクラースはすべての子どもにプレゼントを持ってきてくれるわけではなく、良い子にはプレゼントを持ってきてくれますが、悪い子にはお仕置きをします。
親たちも、「悪いことをすると外国に連れて行かれちゃうよ!」と言って子どもを脅かしていたということです。

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